特別養子縁組の制度

前項では普通養子縁組についてお話ししました。 この項ではもうひとつの養子の形である特別養子縁組について見ていきます。 特別養子縁組とは、6歳に満たない子どもを養子にする制度を指します。 普通養子縁組と違い、非常に事細かな条件設定がなされているのが特徴。 中でも大きく異なるのは、元親に親権が認められなくなることです。 親権がなくなるということはつまり、親子関係そのものが解消されてしまうわけで、血のつながりがあったとしても法律上は他人になってしまうのです。

母親にとってはおなかを痛めて産んだ実の子どもと縁を切ることになりますし、父親にとっても血を分けた子との関係を絶ってしまうのは相当なことです。 このことから、特別養子縁組が認められるためには数々の規則をクリアーし、法律に定められた所定の手続きを踏まなければなりません。 実質的な親の権利をすべて渡すと言っても過言ではなく、生活はもちろん人生の多くに介入していくことになります。 特別養子縁組を組むための条件として年齢以外で挙げられるのが、元親両方の合意が必要な点です。 普通養子は本人と養親だけで良かったのですが、特別となるとそうはいきません。

さらに特有の項目として、実親の教育状況が適切でなく、子どもを守るために別途で親が必要であると認められることが挙げられます。 具体的には虐待・育児放棄といったものが当てはまり、家庭裁判所の認可を得ることで正式に親権の譲渡が行われるのが一般的です。 元親のところでは生活が困難なために新たな親に引き渡されるわけですが、その親もまた子どもの権利を脅かさないかどうかという点も考慮されますので、条件が非常にシビアな養子縁組と言えます。